会社・・・、辞めたいけど辞められない問題について



会社・・・、辞めたいけど辞められない問題について

今から約4年前、40代ながら、会社員生活からフリーランスエンジニアに転身した。
だが、その前の会社員時代には、辞めたいけど辞められないという悶々とした日々を約2年間程過ごしていた。今回はそんな自分の会社員時代の退職に至る話と労働者側の権利について記事にしたいと思う。いきなり結論みたいになってしまうが、

「会社を辞めるのは労働者側の権利」もう一度
「会社を辞めるのは労働者側の権利」

ということを最初に言っておきたい。

1.自分の話(会社員時代の退職に至る過程)

(1).心理的に縛られてしまったある出来事

自分が辞める約1年前、同じ部署に勤めていた同僚が会社を去った。去ったのだが、その同僚が退職の意思表示をして実際に退職に至る過程では、相当ヒドイ出来事があった。その当時、社内勉強会というクソ役に立たないイベント毎の為に、週に1回帰社していたのだが、帰社すると必ずその同僚がいた。
共に、客先常駐という形式で働いていたので基本的には、月1回の帰社日以外は顔を合わせることはないのだが、勉強会で帰社すると必ずその同僚は自社に戻っていた。最初は何とも思っていなかったのだが、あまりに頻繁に顔を合わせるので、ある時、偶然トイレで一緒になったとき聞いてみた。そしたら、

「退職を予定している。」
「会社に意思表示をしたら、客先の状況説明と引継ぎ資料の作成を命じられた。」
「引継ぎ資料を作っても、あーだ、こーだ難癖付けてきて中々話が進まない。」

自分はビックリして、
「うちの会社って、そんな汚ねぇことする会社だったの?」って逆に聞いたら、

誰にでもそのような嫌がらせをするわけではないが、3人の後輩の面倒を現場で見ているのと、代替メンバを見つけにくいってのが理由で、なかなかOKが出ないようだった。その同僚は、Objective-Cという言語でスマホアプリを開発している会社に常駐という形で働いていたのだが、社内にこのObjective-Cができる社員が全くいないので、どうにか3人の後輩社員が独り立ちできるようになるまでは、その現場に縛り付けておきたいというのが会社側の思惑だった。その後も、この同僚はほぼ毎日現場での業務を終えた後、帰社し不毛な引継ぎ資料の作成を継続していた。
結局、この同僚が会社を去ることができたのは、最初の意思表示から実に8か月後という有様だった。
この時は、「辞めることができてよかったな。」くらいにしか思ってなかったのだが、既に自分の脳裏には、この面倒臭い会社側の対応が刷り込まれていたのだが、それを実感するのはそれから約1年後のことである。

(2).意思表示

きっかけは給与体系の大幅な変更だった。基本給の大幅な削減とみなし残業代の大幅増額だった。事前の説明では社員側が損をすることはないとの説明だったが、実際に説明を受けると、表向き支給される給与は変更はなかったので実害はないのだが、この改定が働いている社員にとって得なことは何もないことは明らかだった。
もともと、この会社に一生を捧げるという考えは1ミリも思っていなかったのと、なるべく早くフリーランス転身を図りたいという思いもあったので、この給与改定後の、”個別の給与面談”の際に退職の意思表示を直属の上司に行った。(退職届もこの時に一緒に提出)
上司は最初はちょっと驚いた様子だったが、一応、話は理解してもらえた。この時点では先の同僚のような展開は考えにくかったので、「ホッ」っとしていたのだが・・・。

(3).引き留めという名の嫌がらせ

自分が働いていた客先には自社からは自分だけが行っていたので、辞める際には何も障害となる要素はないと思っていたのだが、やっぱし自分に対しても嫌がらせが発生した。後に聞いたところでは、自分が行っている現場の単価設定が高かったので、どうにか自分がいる間にあと何人か自社の人間を入れたいみたいなことを聞いた。実際に自分が受けた嫌がらせも、先の同僚が受けた嫌がらせに近く、資料作成とエンドレスなレビューだった。依頼資料は以下のとおり。

「現場の状況と将来のプロジェクトの方向性の予測資料の作成」
「参画プロジェクトの引継ぎ資料の作成」

「ついに来たか!」って感じだったのだが、最低限の引継ぎ資料の作成は義務だと思っていたので、言われたとおりに資料を作成した。
そして、資料作成後には直属の上司へのレビューがあるのだが、ここから今思えば笑ってしまうような嫌がらせ(資料への赤入れ、ダメ出し)が始まった。

「万人が読んで理解できるような資料にしろ」
「将来予測の根拠が曖昧、希薄」
「段落やインデントの設け方が自社ルールに沿っていない」

最初は、まだ精神的な余裕があったので言われたとおりに直していた。でもね、このクソなレビューが長引くのは容易に想像がついたのね。だからこっちも対策を用意した。それは今後、この手のレビューと称した自社への呼び出しで発生した際の会話の記録を全て録音すること。

こんなクソなレビューを4~5回程繰り返した後、さすがにアホらしくなった自分は、このクソなレビュー後に、クソ失礼な態度で、以下のような質問をした。

(自分)「こんなクソなレビュー、いつまで続けるんですか?」
(上司)「はぁ~、てめぇがちゃんとした資料を作らねぇから、何度もやり直しが発生してんだろうが・・・」
(上司)「こっちも迷惑してんだ。被害者ヅラすん・・・」
(自分)「前々回言ったことが、前回無効になって、今回また逆のこと言ってますよね。わかってんすか~?」
(上司)「はぁ~、資料がクソだから、もう~、何もかもクソなんだよ。言われたとおりに直せゃいいんや、ボォォケが」
(自分)「でも、言われたとおりに直しても、結局またアカが入るじゃないっすか」

だんだん、テンションが高くなった上司は、約20枚の束になった引継ぎ資料を思いっきり投げつけてきた。足組んで、首を傾げながら、嫌味ったらしくボ~っと眺めていたら、クソMAXテンション上司が、

「てめぇ、そんな態度だと、いつまで経っても辞めれねぇぞ。!」
「あと、あんま態度悪いと、退職金とかにも影響でんぞ!」

とか、ほざきやがった。

このあたりが、潮時かなって感じだったので、このレビューが終了した直後の週末土曜日に丸一日かけてメールを作成し、社長宛(社長だけ)に送り付けた。添付ファイルとして録音したmp3ファイルと引継ぎ資料を付けた。mp3は全部で6本くらいあった。大体以下の内容だった。

〇.タイトル:退職に向けた引継資料作成とクソエンドレスなレビューについて
〇.メール本文:大体以下の内容

・現在退職に向けた引継ぎ資料の作成とレビューを実施中。
・レビューでは、妥当性の全く感じないクソな赤入れが毎回発生している。
・はっきりいって、クソな嫌がらせとしか思えない。
・退職を過度に妨害をするのは法的に問題と想定。
・労働基準監督署へも同様の資料の提出を検討している。
・労働問題に強い弁護士と接触済みであること。(←ウソ)
・就業規則の”退職”の項の記載事項を破ったことは一度もないこと。
・上司の発言内容:「いつまで経っても辞めれない」の根拠は?
・上司の発言内容:「退職金に影響でる」の根拠は?
・出るとこ出る覚悟はできていること。
・会社側もそれなりの覚悟はできてるよね♪ ?
・これ以上引き延ばすとブチキレンぞ!コラ!(充分キレていたのだが)

簡単に書くと上記のような内容のメールだったのだが、実際のメールは源氏物語の巻物のような長文のメールだった。
何月何日にどんな会話が交わされたとか(どのmp3ファイルの何分何秒付近に実際の個所ありとかいう情報も添えていたのはいうまでもない)、就業規則の記載内容とか、民法の労働関連法規の条文と実際の裁判所の判例とか、もうこれでもかっていうくらい自分の正当性を訴えた内容のメールにした。もう既にこっちもクソブチ切れていたので、社長には喧嘩を売るくらいの勢いの内容のメールだった。

(4).会社側の対応

早速、月曜日の午前中、社長から電話があった。社長からの話というか指示はおよそ2点あった。それは・・・

・担当上司と話して、いろいろ確認するので待機すること。
・外部への接触は現時点では控えること。

こっちは、もう宣戦布告は済んでるのと、クビ覚悟でやってるので、社長にも嫌味たっぷりに、
「待機って何時までっすか?」
「とりあえず、クソレビューで帰社するつもりはもうないっすよ」
「どうでもいいっすケど、あんまモタモタしてっと、ブチ切れちゃいますよ ♪」

って言ってやった。
次の社長からの電話は次の日の午後にあった。とにかく引継ぎ資料はいいから、戻って来いということだった。そして退職に向けた手続きの話をしようということになった。

(5).クソ手のひら返しで退職手続き開始

一番、効果的だったのはmp3ファイルだったようだ。どんな機器でどこに隠していたかとかすぐに聞いてきやがった。
メールを送り付けた後の帰社しての話し合いは、退職手続きに終始した。まだ怒りの収まらない自分は、嫌味ったらしく、
「引継ぎ資料ってどうしますか?」って聞いてやったら、クソ上司は、ヘラヘラ笑っているだけだった。

結局、こちらの訴えは全面的に認められた形で、

①.退職金は満額支給。
②.残りの有給休暇も利用可能であること。
③.現場からの退場も、契約期間の満了を待たずに終了。

ということになった。①、②は別に当たり前のことで、何の有難みも感じなかったが、③は大きかった。下手すれば契約満了まで約2か月残っていたので結局最初の退職の意思表示からは約2か月半後には退職が実現できたことになる。

2.有効な対処法(こんなクソな事で過度に悩まない為に)

(1).正確な情報を入手しよう

まず、ブラック企業なんかは、辞めたくても辞められない雰囲気作りや心理的な圧力をかけてくることは日常茶飯事だ。そんな圧力に屈しない一番効果的な対策はただひとつで、法的な簡単な知識と、就業規則の確認。ブラック企業であってもさすがに、明文化された就業規則にブラック規則を記載することはないはずだ。そして、以下のことは絶対に脳裏に残しておくことだ。

「会社を辞めるのは労働者側の権利」

過度な暴言なども、パワハラに該当するのは既知の事項として押さえておく。
基本的に、”退職の申し出”に対して、会社側ができることはほとんどないということも覚えておこう。

あと、インターネットでちょっと調べれば、この手の対処法は山ほど出てくるので、正確な情報で理論武装しておけば労働者側が不利な状況に陥ることがないことは明白だろう。

(2).毅然とした態度で接すること

これも効果は大きい。一対多数の中では、なかなか大変かもしれないが、死ぬわけではないし、一時的なことなので思い切って対応しよう。
ちょっと圧力かけてグラつくようだと、相手はカサにかかって押してくるので、絶対に揺れ動いてはいけない。

あと、違法なブラック企業で、上司がブチ切れて、
「嫌なら辞めろ」とか「お前、もう来なくていいや、クビ」とか言われた場合、速やかに会社を去ればいい。
そのあと、電話があったら、

「もう赤の他人だ、ボォォォケ、馴れ馴れしく電話してくんな?」
「離職票、早く郵送しろ。ボォォォケ」

って言ってやればいい。
違法行為満載のブラック企業は、意外に労働者側の”ブチ切れ”に弱い。晒されてマズい事項はブラック企業側に満載なのだから。
ちょっとした、”プチブチ切れ”で手のひら返してくるケースは実をいうと結構多い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です