最下層の救済反対、「石破さん、私は全く違う意見です」



最下層の救済反対、「石破さん、私は全く違う意見です」

自民党総裁選に立候補した石破茂元幹事長が、月刊日本でのインタビューで、アベノミクスによる”貧富と格差拡大”を批判した。インタビュー記事を読んで感じた点を記事にしてみた。結論的には石破元幹事長とは全く違う考えになってしまったがどんな意見を持ち、そして発信しようが問題はないはずだ。
(ネットで少しこのインタビュー記事に関する意見を見たのだが、ほとんどが自分とは正反対の意見でビビっているのだが・・・)

1.インタビュー記事抜粋

月刊日本のインタビュー内容(抜粋)

石破茂 真摯に誠実に国民と向き合う

~省略~

格差に目を向けないで、何が政治だ

【インタビュア】
もう一つの重大問題は、安倍政権の一枚看板であるアベノミクスです。安倍首相は就職率が良くなったとかボーナスが増えていると言っていますが、GDPは目立ったほど増えていません。また、マイナス金利のために中小金融機関の経営は行き詰まり、地方の生活も疲弊しています。

【石破】
株が上がることは良いことです。有効求人倍率が全都道府県で1を越えたことも良いことです。企業が輸出企業を中心に史上最高の収益をあげたことも良いことです。それは評価されてしかるべきだと思います。
しかし、これらの恩恵に浴していない人たちもたくさんいます。実際、いくら輸出企業が儲かったといっても、実質賃金はほとんどあがっていません。個人所得が増えず、将来不安が払しょくされなければ、個人消費もあがりません。GDPの7割は個人消費ですから、この状態でGDPが増えないのも無理はありません。

【インタビュア】
格差や貧困も拡大しています。アベノミクスの成果を強調するだけでなく、弊害にも目を向けるべきです。

【石破】
現在の日本には平均年収186万円の人たちが929万人もいます。いったい年収186万円でどうやって結婚し、どうやって子供を作るのか。
この中には就職氷河期を経験した人たちもたくさんいます。彼らはすでに40代にさしかかっています。いまはご両親と同居しているから何とかやっていけていますが、ご両親が亡くなったらどうするのか。ここに目を向けないで何が政治だと言われても仕方がない。

~省略~
– 月刊日本 2018.8.22.より –

 

2.新・日本の階級社会

下の図は、「新・日本の階級社会」(橋本健二著)という本の中で定義されている新しい階層構造だ。上の2つの層(資本家層、新中間階級)が上位層で、それより下の”労働者階級”の内、特にアンダークラスでは平均年収が低く、未婚率、貧困率が高く、もうまさに生きるのに必死な層だ。

石破氏が救済すべきといっているのは、このピラミッドの最下層の”アンダークラス層”だ。政治の介入がなければこの階層から抜け出せないとする内容だ。

・・・
本当にそうだろうか?
政治の介入があれば抜け出せるだろうか?

炎上覚悟で言わせてもらえば、この層にいる人たちは基本的には自業自得だと思っている。なぜ自業自得かといえば、自分の知っているアンダークラスの層で同情できる輩が全くいないからだ。
自分が知っているアンダークラスの人たちは、”夢追い人”や”大企業信者”とかいろいろあったが、ほんの少し考え方を変えるだけで回避できた人達ばかりだからだ。
特に、大手にこだわり、第二新卒狙いが外れて非正規になったというのは、はっきり言って同情できない。少なくとも規模にこだわらなければ就職先はあったのだから・・・

3.政治的な支援が必要なのは・・・

政治的な支援が必要なのは、高校生以下の子供がいる現役世代だろう。夢や希望を持つことが難しい時代にそれでも結婚し子供を作り、そして育てているこの世代こそ支援が必要だろう。子供を育てることは本当に大変で、しかも長期間に及ぶ。
ここに支援を向けなければ、少子化問題は解消しない。そして出生率のさらなる低下はそのまま国力の低下に結びつく。大変だけど子供がほしいと思える社会の維持こそ政治が注視しなければならないポイントだろう。

そしてアベノミクス批判について、今、この社会に蔓延する負の部分は、アベノミクスによるものというよりは、90年代~00年代の政治的舵取りが誤っていたからだろう。もちろんアベノミクスが満点の政策というつもりはない。2%のインフレターゲットは不発だし、経済の好転が家計レベルでの景況感に結びついていないのだから見直しは必要だろう。ただ、貧富の差の拡大は、アベノミクスの失敗というよりは、小泉政権時代の構造改革であったり、さらにそれより以前の政策にも原因があるだろう。

4.這い上がるには・・・

アンダークラスから這い上がるには・・・それはもう、

勉強する。
そして知識・知恵を得て行動する。これだけ・・・
40歳前後だともう、復活の道は薄いかもしれないが、だからと言って政治的支援を手厚くするのは反対だ。もっと優先度が高い支援が必要な層が存在するのだから・・・
最後に、大学生や高校生くらいの人たちは、是非、アンダークラスに陥ることがないよう、一度真剣に将来のことや人生や夢について考えてみてほしい。たくさん考えれば失敗しないとは言えないが、それでもより多く考え悩んだ人間の方が失敗するリスクは小さいと思うからだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です