一つ一つの現場は大切に・・・



■.現場での出会いは一期一会だが・・・
よく、ITエンジニアは建設・建築・土木の職人さんと同じであると例えられることがある。SES(システム・エンジニアリング・サービス)として現場常駐で働いていれば、フリーでも、どこかの正社員さんでも確かに職人さんと同じかもしれない。作業指示は基本的には現場の上長さんから受け、成果物の提出も基本的には現場の関係者に対して納品するので確かに作業の進め方は業界は違えど職人さんの世界と似ていると言えるだろう。

■.何年でも・・・
ITエンジニアは職人さんと似ていると書いたが、一つだけ決定的に違う点が存在する。それは、ITエンジニアの場合、一つの現場で従事する期間が圧倒的に長くなることがあり得る点だ。知り合いに内装を専門に行っている職人さんがいるが、一つの現場には平均すると一週間くらいしかいないという。長いところでも、せいぜい1~2か月程なので、常に仕事を探しながら、作業を行っているのだという。
ITエンジニアの場合、このような極短期間で現場をコロコロ変わるというのはあり得ない。1週間や2週間では、環境に慣れることすら不可能なのではないか。いずれにしろ、どんなに小さなシステム製造でも、一つの工程には数か月くらいかかるのはザラなので、おのずと一つの現場での作業は職人さんに比べれば長くなる。

■.フリーランスなら・・・
フリーランスなら、一度信頼関係を構築した現場であれば、末永く働きたいと考えることは当然だと思う。半年や1年程でコロコロ現場を変わるよりかは、数年~10年のような長期スパンで働けた方が精神的なストレスははるかに軽いからだ。自分の場合もスキル的に問題なかったとしても、やはり半年~1年ほどでコロコロ現場を変わるというのはそれなりにストレスを感じる。現場の環境や人間関係に慣れるにはどうしても数か月位要するのに、せっかく様々なことに慣れてきた矢先に、また次の現場を探さなければならないというのはストレスとなってしまう。

■.なるべく長くその現場に留まりたいのなら・・・
必要なことはただ一つで、全力で仕事をし、現場での信頼を勝ち取ること。これは簡単なことでないからこそ価値がある。今までも、2000年前後のITバブル崩壊や2008年頃のリーマンショックなど、大きな出来事はあったが、ひとつの現場で長く作業を行っている技術者が簡単に切られるというケースをあまりみたことがない。
また、現場(常駐先企業)で信頼を勝ち取っていれば、もし、プロジェクト自体が消滅したとしても、同一現場内の別プロジェクトにスライドで参画できるということも多々ある。

■.絶対にやってはいけないこと
たまに見かけるのが、一つの現場に何年もいるからなのか、いちいち横柄な態度で回りに不快感をまき散らしている勘違いフリーランス・エンジニアだ。管理しているシステムに対して一番の有識者なのかもしれないが、どうしてこのような態度をとることができるのだろうか? お客さん側の受け入れ企業の社員さんたちも、手を焼いているのがはっきりわかる。どんなに現場に長く居るからといって、”仕事をもらっている”という立ち位置は絶対に見失ってはいけない。

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