藤井一強時代はとっくに始まっている



現在、将棋の王将戦7番勝負が渡辺明王将・藤井聡太挑戦者によって闘われている。
1/30(日)現在で、挑戦者藤井聡太四冠の3勝(0負)で、正直言うとストレートで獲ってしまいそうな勢いだ。なんか世間では将棋界は去年は四強時代で最近は二強時代と呼ばれていたような気がしていたが、自分の感覚ではとっくに藤井一強時代が始まっていると思ったので記事にしてみた。ひょっとしたら四強というか一神三強と呼ぶのが正しいのかもわからんが・・・

羽生善治永世七冠がタイトル戦に登場した頃

藤井四冠の強さを測る物差しがなかなか見つからいが、唯一測れる物差しになりそうなのが、約30年程前、羽生善治永世七冠がタイトル戦に登場し始めた頃のタイトル戦の成績かな?って思ったのでちょっと羽生永世七冠のタイトル戦登場初期のタイトル戦の成績を調べてみた。結果は以下のとおりだった。

棋戦 備考
1989 竜王 4 3 1 奪取
1990 竜王 1 4 失冠
1990 棋王 3 1 奪取
1991 棋王 3 1 防衛
1992 王座 3 0 奪取
1992 竜王 4 3 奪取
1992 棋王 3 2 防衛
1993 棋聖 3 1 奪取
1993 王位 4 0 奪取
1993 王座 3 1 防衛
1993 王座 2 4 失冠
1993 棋聖 3 2 防衛
1993 棋王 3 0 防衛
1994 名人 4 2 奪取
43 24 勝率:64.2%

二十代前半でタイトル戦に登場し始めた頃の成績でも勝率は約64%なので、この成績でも尋常ではないのだが・・・
そして、藤井四冠の方も現在までのタイトル戦の成績もとりあえず集計してみた。

棋戦 備考
2020 棋聖 3 1 奪取
2020 王位 4 0 奪取
2021 棋聖 3 0 防衛
2021 王位 4 1 防衛
2021 叡王 3 2 奪取
2021 竜王 4 0 奪取
2022 王将 3 0
24 4 勝率:85.7%

現在までの藤井四冠のタイトル戦に限っての成績はなんと85.7%(28戦24勝4敗)だった。ここまでの勝率ならもう誰が相手でも手合い違いのレベルじゃないだろうか?唯一フルセットにまで至った2021年の叡王戦を除けば基本的には相手を圧倒している。しかも圧倒している相手が全て棋界のトップに君臨している相手ばかりである。

来年度のA級順位戦

今年度、もうひとつ注目しているのが順位戦でこちらも藤井四冠はB級1組で現時点で8勝2敗でトップに位置している。こちらはまだ残り2戦残っていて星1つ差までに3棋士が存在しているのでA級への昇級は確定していないが、まぁ順当に昇級を決めるだろうというのが大方の見方だ。A級順位戦での羽生-藤井戦はぜひとも見てみたい対戦なのだが、一方の羽生永世七冠が現在A級順位戦で2勝5敗で降級ピンチなのでひょっとしたら実現するのは難しいかもしれない。

但し、羽生永世七冠については降級してもB級1組ではまだまだ上位の実力があると思っているので1期でA級に復帰する可能性は結構高いと思っている。
(個人的な希望も含めて・・・)

そして、藤井四冠がA級昇級を決めれば、来年度名人挑戦権を得るのは藤井四冠だろう。そして名人戦七番勝負は恐らくストレートに近い成績で奪取してしまう可能性が高いと思っている。

他の棋士に唯一チャンスがあるとすれば・・・

他の棋士に唯一チャンスがあるとすればやっぱり持ち時間の少ない一日制のタイトル戦だろう。実際、2021年度の叡王戦でもフルセットまでもつれ込んでいる。但し、これについても藤井四冠相手に1つ勝つだけでも相当至難の技のような気がしているので難しいことには変わりない。

今後ライバルになりそうなのは・・・

多分、藤井四冠のライバルになりそうな棋士は現在の将棋界には残念ながら存在しない。彼のライバルに成り得るとすれば、奨励会をやっぱり中学1年生か2年生で駆け抜けるくらいの逸材じゃないと難しいのかもしれない。しかも藤井四冠は小学生の頃から詰将棋選手権で優勝している通り、ラストのスプリント勝負はめっぽう強い。実際この前の王将戦第3局も残り時間3分という状況で、29手詰めをしっかり読み切っているのを見ると序盤中盤ではっきりとした優勢を築けるような棋力がないと難しいのかもしれない。

 

 

 

 

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