とある、お嬢さんの数奇な運命(ホントの話)②



とある、お嬢さんの数奇な運命(ホントの話)②

今回は、どうにかExcel VBAについては、ある程度独り立ちできたヒロミ嬢のその後の話です。

金勘定開始

年末に管理していたプロジェクトのカットオーバーが無事終わり、打ち上げが開催された。
その際に、PMOリーダが、彼女に「時給上げといたからね。♪」と言っているのを聞いた。
そしたら、みんな興味津々で、ヒロミ嬢に、質問攻め・・・
PMO「今、時給いくらなの?」
ヒロミ「秘密!、まいっか、1400円」
PMO「いくら上げたんすか?」
リーダ「秘密!、まいっか、200円くらい」
PMO「もっと上げてあげればいいじゃん!」
リーダ「うっせー、ボケ」
PMO「でも200円なら、月に3、4万くらいは増えるか」

ふと、誰かが、
「もうほぼVBAについては、大体何でもできるし、いっそのことエンジニアで仕事探した方がいいんじゃね!」
なんて言ってしまった。
リーダは「おいおい、余計なこと言うな」みたいな感じだったが、否定はしなかった。
金の亡者・ヒロミ嬢は「これって金になんの?」みたいに逆に周りのメンバに質問攻め・・・
大体の相場観は知っていた自分は、こっそり「そうね、2000円位は普通に狙える。」なんて言ってしまった。
ヒロミちゃんはニコニコしていたが、バックグラウンドで金勘定処理が走っているのは、容易に想像がついた。

その後

結局、ヒロミ嬢は、翌年の3月までこの現場にいた。実をいうと自分も同じタイミングで抜けたので、それ以降の彼女の足取りはわからなかった。そして、このPMOの現場を抜けた約半年後、突然、彼女からLINEでメッセージが届いた。
「たかっちさん。XAMPPでPHPの環境で仕事したことあります?」
思った通りだった。その後、彼女の方は、Excelエンジニアをこなしながら、さらなる高給を求め動いていた。Excelエンジニアだと2,000円前後の報酬が限界なので、何かプラスアルファのスキルを得ようと考えたようだ。その中でXAMPPでのPHP開発は、ITスキルの独学では非常にとっつき易い。Windowsマシンがあれば環境整備は、ものの1時間ほどで終わってしまうだろう。環境変数の設定やDBMSとPHPとの連携など、本来なら面倒で挫折のもととなる設定作業がXAMPPだとほぼ不要だ。彼女は独学でいろいろ勉強していたが、仕事に結びつかないので相談してきたみたいだ。

自分の彼女へのアドバイスは、
「未経験の言語での仕事の獲得には、”〇〇できます” をわかりやすい形で表現する必要がある。その為に、何か制作してみてポートフォリオサイトに自分の作品集を登録しておけば、人員募集をかけている企業は、応募者のスキルレベルを把握しやすいので、そのような作品集を作ってみれば」
というものだった。
彼女の反応は、ちょっと「面倒くせぇ」っていうリアクションだったが、納得はしたみたいだった。彼女と会話したのは、この時が最後だったが、彼女の積極的な働きぶりはPMO部隊で見てきたので、恐らく、どうにかスキルアップをしてエンジニアとしてやっているのではないか。

まぁExcel VBAできるだけで、接客業の倍の給料になるので、こういう展開は充分想像できたが、彼女自身のバイタリティの高さも大きいと思う。
ここ2年程は、連絡と取り合っていないが、今頃PHPエンジニアになってても不思議ではない。普通のエンジニアならさらに倍のサラリーが期待できるのだから。

最後に・・・

今回、このような記事を書いたのは、ITエンジニアって特殊な能力を持った特別な人種っていう固定観念を消したかったからだ。ヒロミ嬢のような転身の仕方はレアケースだが、ひょんなことから別世界に行ってしまうというのはやっぱし存在する。
ただ、彼女の場合もエンジニアに近い所で働き始めたっていう、最低限の”きっかけ”・”条件”は満たしていた。もし接客業を続けていれば、このような転身は絶対になかったと思うからだ。
もし、この業界でやってみたいと思っているなら、ぜひ挑戦してみてほしい。但し、自分から近づくという行動は必要だ。腰が引けていても一歩、前に進みでてみる。全然想像もつかないようなパラレルワールドって意外にすぐ隣にあるのだから。

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