単価交渉は慎重に・・・



単価交渉は慎重に・・・

ふと、約5年前のIT系のフリーランス成り立ての頃を思い出した。細かい失敗はたくさんしたと思うが、一番の失敗は単価交渉だった。この単価交渉というのは、現場でのプロジェクト参画の面談ではなく、その前のエージェント会社との登録時の対面での面談だった。ここで話した内容というのも自分の単価に大きく影響する。
今回は、その当時の自分の失敗談を記事にしてみた。

エージェント会社担当者との面談とは?

まだ何も知らなかった頃の話だが、フリーランスエンジニアの場合、自力で仕事が取れないペーペーのフリーの場合、エージェント会社に登録するのが一般的だろう。自分も最初の頃は、大手から中小まで何社か登録したのだが、大体、どこも登録時に対面での面談を実施している。この面談では大体以下のことを確認する。

①.今までの経歴(スキルシートを見ながら)
②.希望職種(PGかSEか、言語やWeb系がいいとか何やら技術的なこと全般)
③.希望業種(金融系やら物流系やら)
④.勤務形態(客先常駐かリモートか、はたまた両者のハイブリッドか)
⑤.通勤時間(近い方がいいとか、都内がいいとか・・・)
⑥.希望報酬(月単価の希望額)

対面では大体こんなことを聞いてくる。もちろん、エージェント会社から見た場合は、スキルシートからは見えない相手の”人となり”を確認するというのも大きいだろう。
(話し方や性格や体型や身なりなど、いろいろチェックしているだろう。)

大きな失敗

自分は、一番メインにしようとしていたエージェント会社との最初の面談の際、希望報酬で大きな失敗を犯してしまった。大体のやりとりは以下のとおりだった。

(担当)「希望報酬はおいくら万円希望しますか?」
(自分)「65万以上を希望します。」
(自分)「ギリギリ許せて60万ですね。」

これ、何が失敗がわかるだろうか?
答えは、最後の一文で「ギリギリ許せて60万ですね。」だ。

ぶっちゃけ、こんなことは言ってはいけない。

こういう言い方をすると、エンドが支払っている額やマージン率などを晒していない中小のエージェント会社の場合、案件紹介の際の報酬額は、60万以上は期待しない方がいいだろう。もしくは、不明(面談次第)という回答しか返ってこないだろう。
どちらにしろ、こういう言い方をすると、60万以上はもらえないと思った方がいい。
こういう言い方をすると、エージェント会社は、60万貰えればコイツはハッピーみたいな解釈をする。

最初の現場・・・、30%も抜かれていた~

フリーランスになって最初の現場は、PMO案件だった。場所は品川にある某通信会社で、その当時大きなプロジェクトが複数走っていたので専用のPMO部隊が作られ、そのメンバーとして採用された。月額報酬はもちろん60マンエン!
現場に入って、半年程経った頃だろうか。月の締めをしていた際に、月締め提出資料の確認で上長に呼ばれ、相手の席まで行った。自分の提出した交通費の精算書にちょっとした不備があったので直すよう指示を受けたのだが、その時に、見えちゃったんだよ~。上長のノートPCの画面に燦然と輝く裏情報が・・・

液晶画面に表示されていたのは、自分のエージェント会社の担当営業宛のメールで、画面中央ヤヤ下あたりのある一文に自然にロックオンされた。

・・・・・
●●様(自分)の単価ですが、特に問題もありませんので、10~12月の単価は
従来どおり85万円でよろしくお願いします。♪
・・・・・

これで、エンドが支払っている金額が判明した。そして自分の報酬額はもちろん判っている。
ちょっと計算してみたら、エージェント会社のマージン率がエレ~大きいことが分かった。

エンドの支払額    :85万円
自分の取り分     :60万円
エージェント会社の取分:25万円(29.4%!)

なんと、単価85万の案件で奴等約3割、25万も抜いてやがった。自分はこの現場には、1年3ヶ月(15か月)働いたのだが、この間、奴らはタダ人を紹介するだけで375万も得ていたことになる。以前、大手のエージェント会社の担当と話した際に一般的なマージン率は10~15%ということを聞いたことがある。(良心的な場合)
なので、奴等は一般的なマージン率の約倍のマージンを得ていたのだ。

まぁ~、最初の授業料と思えば・・・

恐らく、最初の面談の際、あの最後の一文を言わなければ、この現場の自分の報酬額は65万円だったのだろう。1年3ヶ月で恐らく75万失ったのかと思うとショックだったが、なるべく前向きに考えることにした。まぁ何より、最初の現場でこのような情報が得られたのは大きかった。
結局、このエージェント会社で仕事をしたのはこの時が最初で最後だった。自分にも非があったのはもちろんだが、やっぱりこのような現実を見た後では、継続して付き合おうとは思えなかった。2つ目の仕事からは一貫して大手のエージェント会社を利用しているが、その後、このような”損した感”を感じることは一度もない。2度目の業務以降、たまたまエンドの支払っている報酬額を知ることも稀にあったが、その情報がエージェント会社が発している情報と誤っているということも全くない。
この時の件では、本当に大きな教訓を得たのだが、これからフリーランスへの転身を図りたい人もいるだろうから、仕事を得る際の注意点を何点か挙げたいと思う。

①.最初はマージン率まで含めた情報を晒している大手のエージェント会社がおススメ!
②.中小のエージェント会社を利用する際も、なるべく多くの情報を収集すること。
③.自分の市場価値を押さえておくこと。

③については、大手のエージェント会社に複数登録して、実際に面談を行ってみれば、自分のスキルと経験から大体の期待可能報酬額は把握できるだろう。フリーランスになるなら、とにかく自分の現在地をしっかり把握し、必要な情報は得た上で行動することをススめる。

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